多重債務・過重債務で破産申立や(個人)民事再生申立をする場合
申立前の財産処分が問題となることがあります。
財産処分の時期、内容、程度、状況によって異なりますが、
破産で問題となるのは、否認(詐害行為、偏頗行為など)と免責不許可事由(不当な財産処分など)になります。内容、程度などによっては、破産開始決定時点の財産が少なくても同時廃止ではなく、管財を指示されたりする場合もあります(免責不許可事由については同時廃止では裁判官の裁量免責を得ることがむずかしい場合など)。
民事再生の個人再生の場合は、破産のような否認や免責不許可事由は定められていませんが、「不当な目的で再生手続開始の申立てされたとき」は申立てが棄却される可能性がありますし、否認される行為が開始決定後に判明した場合は、否認の対象となる分を清算価値に含めて再生計画を作成する必要が生じたりします(弁済額の増加の可能性)。
破産申立の書類作成で、(借金に至った事情、財産などの)聞き取り調査の面談が(つじつまが合わないところが出てきた場合などは)刑事の取り調べのようになってしまうケースがあります・・・
(問い詰めるような感じになるとよくないので気を使います)
余談
何年も前からクレサラ案件(破産、再生、任意整理、過払い金返還含む債務整理)の依頼は(とても)少なくなっています。破産申立(書類作成)も年に1件あるかないかぐらい。前は司法書士の費用を捻出できない方の破産案件は、法テラスからの依頼(名簿による紹介・依頼)が結構あったのですが、(多くの)弁護士の先生が受けられるようになり、司法書士へは少なくなっているようです。
積極的にやりたい気持ちはありませんが・・・
(大変な案件があるたびに、「これで最後にしよう(これが最後だからがんばろう)」と思いながら取り組んでいました)
多重(過重)債務のクレサラ案件(破産、再生、任意整理、過払い金返還含む債務整理)については、司法書士の役割は(もう)終わったのではないか、という感じすらします。
自己破産の管財事件と同時廃止の振り分け基準 - 司法書士とくの日記(ブログ)
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