司法書士とくの日記(ブログ)

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相手の問題

「落ち着けよ」

破産申立のためには、借金するに至った事情、返済できなくなった事情などを、時系列に詳しく記載した書類を作成する必要があります。

また、財産や家計収支についても詳しく書類(財産目録、家計収支表など)にして説明する必要があり、財産については現在の財産はもちろん、過去2年ぐらいの財産処分についても詳しく書類で説明する必要があります。

破産申立てをするには、ご本人から聞き取りをし、また、ご本人に、いろいろな書類を用意してもらわなければならず、ご本人で動いたり協力してもらう部分がかなりあります。

借金するに至った事情、返済できなくなった事情などについては、一応、ご本人に書いてもらうようにお願いしますが、多くが数行ぐらいしか書くことができず、大部分、長時間の聞き取り調査が必要となります。

 

この書類(通帳など)の精査、聞き取り調査で、「とんでも事実」が発見されたりする場合があります。

なんでこんなことをしたかな・・・

 

その後、(書類収集、面談などにおいて)ご本人の協力が得にくくなったりすることがあります。これが結構きつい。

何かと理由をつけて面談を欠席する。なかなか書類を用意してもらえない。

 

最後までできるかどうかわからない不安があり、どこまで我慢ができるか、事態が動くまでほっとくか、いろいろあって、これは、かなりのストレスになったりします。

 

その後の対応としては、あらためて破産制度(人生やり直しの制度)を説明して、正直に事実をすべて開示した上で裁判所の判断にゆだねる必要がある、浪費等、免責不許可事由があったとしても、(反省しているということで)裁判所(裁判官)の裁量で免責されることは多い、不当な財産処分など、むずかしいところがあっても管財事件として判断してもらう方法もあるなど、いろいろ説明していく。

嫌なことはしてもらえない、人間、嫌なことは話したがらない、嫌なことは隠したい

なかなかしてもらえないのは当たり前

追い詰めると、逆効果

時間がかかっても、すこしでも、書類を用意してもらった、話をしてもらった、ことについては「ありがとうございます」と(あえて)感謝をする。

(こちらがしてくれないことに対して負のオーラを出すと逆効果になるので・・・)

書類の準備については、(任せているといつになるかわからないので)来所の際、事務所で(書類が必要な金融機関や保険会社へ)電話をしてもらうこともあります。

根気よく - 司法書士とくの日記(ブログ)

 

それでもダメな場合は、(だんだん当方、ストレスからか、ご本人や簡単に貸し付けた債権者に対して、恨みつらみ、怒りが生じてきたりするので・・・)「協力してもらえない場合は進められないので辞任になります」と辞任を示唆して強く説得し、

・・・それでもダメな場合は、辞任するしかありません。

最後まで免責まで責任をもたなければならないと思い込み(強迫観念)執着を生じさせているときもあり、

(もう少し落ち着け)

最終できなくてもかまわない、これは「相手の問題」と割り切ることも必要になってきます。

 

昔に読んだ、覆面作家である朔立木(さくたつき・女性弁護士)の小説「死亡推定時刻」の中で、警察が(冤罪事件の)供述調書の作文を仕上げていく状況が描かれていたが、破産申立ての書類は、債権者から交付された取引履歴、通帳などの資料(証拠)と、本人からの聞き取りから、(本人の記憶があいまいな場合は想像を働かせながら)仕上げていく(作成していく)ので、(なんとなく)警察の取り調べや供述調書作成に似ているところがあるように思う。

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破産申立や(個人)民事再生申立前の財産処分 - 司法書士とくの日記(ブログ)