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会社法人等番号のみで大丈夫な範囲

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(根)抵当権抹消登記を申請する際、

(根)抵当権者の変更証明書として会社法人等番号を提供することがあります。

例えば、

(登記記録上)抵当権者 さくら信用保証株式会社の場合

現在は、(商号変更により)SMBC信用保証株式会社ですが、

会社法人等番号0104-01-011702の提供で、この変更証明書を省略することができます。

これがどこまで省略できるのか?ケースにより、よくわからないことがあります。

比較的、古い(根)抵当権の抹消登記など、

金融機関から交付された抹消書類で申請したところ、

会社法人等番号だけでは足りず、別途、閉鎖謄本や抄本が必要だったことがあります。

 

Q&A

Q 会社法人等番号を提供した場合は、法人の住所証明情報の提供に代えることができるか。また、登記名義人である法人の住所変更登記における変更証明情報の提供に代えることができるか。
A いずれも代えることができる(規則第36条4項)。ただし、住所変更登記については下記の点に注意。
閉鎖事項については、以下の閉鎖事項証明書の提供に代える場合に限られる。
1、現在の会社法人等番号が記載されている閉鎖事項証明書
2、会社法人等番号が記載されていない閉鎖事項証明書(商業登記規則第44条1項の規定により閉鎖された登記事項を証明したもの)
変更証明情報の提供を省略することができるのは、現在の会社法人等番号で変更事項を確認できるものに限られる。
平成24年5月20日(外国会社にあっては平成27年3月1日)以前の法人の登記においては、組織変更や他の登記所の管轄区域内への本店移転登記等をする場合には会社法人等番号が変更されていた。この変更前の会社法人等番号が記録された登記記録に変更事項が記録されているときは、現在の会社法人等番号の提供に加えて、変更事項を確認することができる閉鎖登記事項証明書又は閉鎖登記簿謄本を提供する必要がある。この場合、同一登記所であっても閉鎖登記事項証明書又は閉鎖登記簿謄本等の提供省略はできない。

Q 会社法人等番号を提供した場合は、所有権以外の権利等の抹消登記の登記義務者の変更証明情報の提供に代えることができるか。

A 代えることができる。ただし、閉鎖事項については、前Qと同じ。

 

会社法人等番号でたどることができるコンピューター化後の証明書(閉鎖含む)で確認できる場合は、会社法人等番号でOK

コンピューター化前の閉鎖謄本、抄本で確認できるものは、会社法人等番号だけではダメで、その閉鎖謄本、抄本の添付が必要

前に、他管轄の本店移転などで、会社法人等番号が変わっている場合で、変更前の会社法人等番号での証明書等で確認できるものは会社法人等番号だけではダメで、その閉鎖事項証明書、閉鎖謄本、抄本の添付が必要

コンピューター化前や、会社法人等番号が変わっている範囲では、会社法人等番号だけではダメということ・・・

 

(一例)

神戸市生田区三宮町二丁目18番地

株式会社阪神相互銀行

の(根)抵当権抹消登記を申請する場合

 

現在は株式会社みなと銀行

会社法人等番号にプラスして、

次の住居表示実施証明書

神戸市生田区三宮町二丁目18番地

神戸市中央区三宮町二丁目1番1号(昭和55年12月1日住居表示実施)

次の閉鎖謄本もしくは抄本

株式会社阪神相互銀行→株式会社阪神銀行(平成元年2月1日商号変更)

は必要

株式会社阪神銀行→株式会社みなと銀行は、会社法人等番号で確認できる。

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(一例)

東京都中央区築地三丁目16番9号

三銀保証キャピタル株式会社

の(根)抵当権抹消登記を申請する場合

 

現在はSMBC信用保証株式会社

会社法人等番号にプラスして、

次の閉鎖謄本もしくは抄本

東京都中央区築地三丁目16番9号

→東京都港区六本木六丁目1番21号(平成3年2月25日本店移転)

は必要

(三銀保証キャピタル株式会社→さくら信用保証株式会社→エスエムビーシー信用保証株式会社→SMBC信用保証株式会社までの商号変更は会社法人等番号で大丈夫。登記情報提供サービスではここまで確認することはできませんが、法務局では閉鎖事項等、確認できるようになっているのか?この辺よくわかりません)

(なお参考)東洋信用保証株式会社→三和信用保証株式会社→ユーエフジェイ信用保証株式会社→三菱UFJ住宅ローン保証株式会社までの商号変更、本店移転は、三菱UFJ住宅ローン保証株式会社の会社法人等番号で大丈夫

登記情報提供サービス*ではここまで確認することはできませんが、法務局では閉鎖事項等、確認できるようになっているのか?この辺よくわかりません。

原則、3年より前の変更事項については、閉鎖事項証明書を取得しないと判りません。ただし商号と本店は変更が3年より前でも変更の直前のものは確認できます。逆に言えば登記情報提供サービスでは直前のもののみで(3年より前の)古い商号や本店は確認できません。なお(コンピューター化後の閉鎖事項(全部・一部)証明書は、どこの法務局でも取得できますが)コンピューター化前の閉鎖謄本、抄本については、(オンライン取得はできず)その管轄法務局でしか取得できません。

*登記情報提供サービス「商業・法人の登記情報は、現に効力を有する情報のほか、請求する日の3年前の日の属する年の1月1日から請求の日までの間に抹消された情報等を提供しています」すなわち履歴事項全部証明書の範囲、これより前は閉鎖事項になり別途、閉鎖事項(全部・一部)証明書を取得しないと判りません。

(なお参考)りそな保証株式会社は、埼玉県浦和市さいたま市)常盤十丁目13番10号 あさひ銀保証会社までりそな保証株式会社の会社法人等番号で大丈夫、その前の(商号)埼銀保証株式会社は閉鎖謄本、抄本が必要

みずほ信用保証株式会社は、東京都中央区銀座四丁目2番11号 株式会社富士銀クレジットまでは、みずほ信用保証株式会社の会社法人等番号で大丈夫、その前の(商号)信用保証サービス株式会社は、コンピューター化前なので閉鎖謄本、抄本が必要

 

(一例)

神戸市生田区加納町六丁目7番地 神戸市役所内

神戸市職員信用組合

の(根)抵当権抹消登記を申請する場合

 

現在は神戸市中央区御幸通六丁目1番12号三宮ビル東館内 神戸市職員信用組合

会社法人等番号にプラスして、

次の閉鎖謄本、抄本もしくは住居表示実施については、住居表示実施証明書でもよい

神戸市生田区加納町六丁目7番地神戸市役所内

神戸市中央区加納町六丁目5番1号神戸市役所内(昭和55年12月1日住居表示実施)

神戸市中央区加納町六丁目5番1号神戸市役所内

神戸市中央区浜辺通五丁目1番14号神戸商工貿易センタービル内(平成7年5月1日移転)

神戸市中央区浜辺通五丁目1番14号神戸商工貿易センタービル内

神戸市中央区加納町六丁目5番1号神戸市役所内(平成8年4月1日移転)

は必要(これの交付がなく、会社法人等番号のみで申請したところ補正になったことがある)

(主たる事務所)神戸市中央区加納町六丁目5番1号神戸市役所内から神戸市中央区御幸通六丁目1番12号三宮ビル東館内は、会社法人等番号で大丈夫

 

(一例)仮

東京都中央区〇〇一丁目1番1号

株式会社甲

の(根)抵当権抹消登記を申請する場合

 

現在は株式会社丙

 

変更等事項

株式会社甲→株式会社乙(商号変更)、もしくは本店移転等

株式会社乙は、株式会社丙に合併

抹消の登記原因日が、合併前の日付の場合は、合併による(根)抵当権移転の登記は不要

 

現在の丙の会社法人等番号で、乙の合併は判るが、

甲から乙への商号変更等については判らない。

乙の(登記記録上の商号からの変更等が判る)閉鎖事項証明書の添付は必要と思われる。

仮に丙の会社法人等番号にプラスして、乙(被合併会社)の会社法人等番号を提供した場合、どうなるか?乙の会社法人等番号から閉鎖事項を確認できれば、甲から乙への商号変更等の事項は判明するが・・・

 

(一例)

東京都中央区八重洲一丁目3番5号

住友海上火災保険株式会社

の(根)抵当権抹消登記を申請する場合

 

現在は三井住友海上火災保険株式会社

 

変更等事項

昭和63年3月21日本店移転

本店 東京都中央区新川二丁目27番2号

平成13年10月1日三井住友海上火災保険株式会社に合併

三井住友海上火災保険株式会社の会社法人等番号で合併までは確認できるが、昭和63年3月21日本店移転については、閉鎖謄本もしくは抄本が必要

 

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