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登記の添付書類の原本還付

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五十肩の痛み
サイレントマニュピレーション(授動術)後の痛みはなかなか緩和せず、一進一退の状態。
痛みとの付き合いが長くなっています。
 
さて、登記申請の際、原本還付について
 
不動産登記で、添付書類の還付を受けるためには、その添付書類をコピーをして、それに「原本と相違ない」と記載して、申請人もしくは代理人が記名押印して添付する必要があります(ページ間の契印もする)。登記義務者の印鑑証明書など、原本還付不可の添付書類もあります。法務局のHPでの案内などでは、「原本相違ない」と記載して、となっていたりします。
 
補助者時代、本職から「原本相違ない」は間違いで、「原本相違ない」が正しい、原本相違ないとすると、そのコピー自体が原本である、という意味になるから・・・と教えてもらいました(細かい・・・)。でも、原本に相違ないとしても、まったく問題ありません。
というか、過去、うっかり、コピーを添付しただけで「原本と相違ない」の記載や、記名押印、ページ間の契印を忘れて申請したことがありますが、多くが補正なく登記は完了しています。おそらく、登記官が原本と照合して内容の同一性を確認するのだから、このような記載がなくても、登記官によっては、補正までは求めないということか、と思います。
(ただし、中には、かなり前(昔)ですが、手元にコピーがない場合で、法務局に行って補正をしたり、遠方の法務局の場合で、別紙で「〇〇務局〇年〇月〇日受付第123号で申請した登記につき、原本還付のため次のものを謄写して添付しましたが、それらは原本と相違ありません」を追加したことがありますが・・・)
 
しかし、不動産登記規則で「原本と相違ない旨を記載した謄本を提出しなければならない」と明記されていますので、法律上は必要となっています。不動産登記規則では、原本相違ない、となっています。
ケースによっては、登記に関係する箇所のみをコピーして添付することも認められることがありますが、その場合は、「原本の一部と相違ない」などと記載します。
 
商業登記では原本還付をすることは少ないですが、同様になります(ただし、押印については不要)。
 
なお、不動産登記申請が却下された場合、添付書類は還付されますが、商業登記の場合は、原則、添付書類は還付されず、還付請求するためには、原本と相違がない旨を記載した謄本を添付する必要があります。
 
(添付書面の原本の還付請求)
第五十五条 書面申請をした申請人は、申請書の添付書面(磁気ディスクを除く。)の原本の還付を請求することができる。ただし、令第十六条第二項、第十八条第二項若しくは第十九条第二項又はこの省令第四十八条第三号(第五十条第二項において準用する場合を含む。)若しくは第四十九条第二項第三号の印鑑に関する証明書及び当該申請のためにのみ作成された委任状その他の書面については、この限りでない。
2 前項本文の規定により原本の還付を請求する申請人は、原本と相違ない旨を記載した謄本を提出しなければならない
3 登記官は、第一項本文の規定による請求があった場合には、調査完了後、当該請求に係る書面の原本を還付しなければならない。この場合には、前項の謄本と当該請求に係る書面の原本を照合し、これらの内容が同一であることを確認した上、同項の謄本に原本還付の旨を記載し、これに登記官印を押印しなければならない。
4 前項後段の規定により登記官印を押印した第二項の謄本は、登記完了後、申請書類つづり込み帳につづり込むものとする。
5 第三項前段の規定にかかわらず、登記官は、偽造された書面その他の不正な登記の申請のために用いられた疑いがある書面については、これを還付することができない。
6 第三項の規定による原本の還付は、申請人の申出により、原本を送付する方法によることができる。この場合においては、申請人は、送付先の住所をも申し出なければならない。
7 前項の場合における書面の送付は、同項の住所に宛てて、書留郵便又は信書便の役務であって信書便事業者において引受け及び配達の記録を行うものによってするものとする。
8 前項の送付に要する費用は、郵便切手又は信書便の役務に関する料金の支払のために使用することができる証票であって法務大臣が指定するものを提出する方法により納付しなければならない。
9 前項の指定は、告示してしなければならない。
 
商業登記規則
(添付書類の還付)
第四十九条 登記の申請人は、申請書に添付した書類の還付を請求することができる。
2 書類の還付を請求するには、登記の申請書に当該書類と相違がない旨を記載した謄本をも添付しなければならない。ただし、登記の申請が却下された場合において、書類の還付を請求するには、還付請求書に当該書類と相違がない旨を記載した謄本を添付し、これを登記所に提出しなければならない。
3 登記官は、書類を還付したときは、その謄本、登記の申請書又は還付請求書に原本還付の旨を記載して押印しなければならない。
4 代理人によつて第一項の請求をするには、申請書にその権限を証する書面を添付しなければならない。
5 第九条の四第四項から第六項までの規定は、第一項の規定による添付書類の還付の請求に準用する。