不動産登記のオンライン申請
オンライン申請をした直後に法務局から電話
「今、オンライン申請された件ですが、不動産番号、間違っていませんか?」
「えっ!」
慌てて確認すると、1個数字が間違っている・・・
何度も確認していたのに・・・
不動産番号は、間違えると補正ができないと思っており(間違った番号の不動産につき登記簿がロックされ、本来の登記すべき不動産はロックされない)、注意していたのに・・・
いったん取下げか、と思いましたが・・・
「間違ってました。〇〇・・・・番です」
「それでは、補正をしてください」
「えっ!補正できるの?」
ということで、
(補正通知をもらい)
補正するで済みました。
申請してすぐだったので補正できたのかもしれませんが(オンライン申請の場合、すぐ見てもらえる)。
補正通知
申請情報に、下記のとおり補正を要する箇所があります。ご不明な点があれば、(調査担当〇〇)までお問い合わせ願います。
〈補正を要する事項〉
不動産番号の補正 (正)1234567・・・(誤)1234566・・・
*補正は、登記申請に誤りや不備があった際、申請の受付年月日受付番号は維持したまま、訂正することで、それで登記をOKにしてもらうが、もし、補正ができない場合は、いったん登記申請を取り下げして、正しい登記を申請し直すことになり、その場合は、あらためての受付年月日受付番号となる。金融機関の抵当権設定登記などは実務慣行上、その融資した日での登記が要請されているため、取り下げをして再申請が後日になると、(その間に別の登記が入ってしまうリスクと)司法書士としては信用を失ってしまう(かも)しれないリスクが生じる。
不動産登記オンライン申請の際の注意点(過去の当HP記事転記)
① 登記原因証明情報のPDFファイルの添付(連件などで、他の違う登記原因証明情報を添付したりしないように)。→下記のように緩和されている
② 不動産を不動産番号で指定する場合、番号は間違わないように(これを間違うと取下げせざるを得なくなる)。→今回のように、補正可能か
③ 連件の場合、順番の番号を間違わないように注意する必要がある。
④ 管轄を間違わないように(送信先の法務局を確認)。→システム上チェックしてくれるようになっている
⑤ 登記識別情報を提供する場合、委任状に「登記識別情報の暗号化に関する一切の件」が必要。
取引の場合、取下げが困難なので、上記注意点①から④は重要。
⑤については、(売買取引 抵当権抹消、所有権移転、抵当権設定の連件申請のケース)登記識別情報を提供する所有権移転登記の義務者(売主)については必要、また、抵当権抹消登記につき、金融機関(義務者)から登記識別情報通知書を受取り、登記識別情報を提供してオンライン申請する場合、金融機関の委任状にも「登記識別情報の暗号化に関する権限」の記載(受任)が必要。抵当権設定登記については、(連件のため)登記識別情報は提供されたものとみなされ、暗号化して送信する訳ではないので、抵当権の設定者(抵当権設定登記の義務者・買主)の委任状には、「登記識別情報の暗号化に関する権限」の記載(受任)は不要。
登記原因証明情報のPDFファイルの添付についての緩和
大阪法務局(平成29年6月30日付)
やってしまいました。オンライン申請(商業登記)初の取下げです。申請書作成支援ソフトで申請書を作成する際、最初のところ(会社法人等番号)、プルダウンで株式会社か有限会社かなど、選ぶところがあります(6桁の会社番号を入力する前のところ)。そこを有限会社であるにもかかわらず、株式会社にしていました。この間違いは、補正ができません。(有限会社は特例で本来株式会社だ、などと言っても許してもらえません)どこかの株式会社の登記記録がロックされ、本来申請すべき有限会社はロックされません。ので、ここの株式か有限かなど選ぶところと、会社番号のところは補正不可で、「取り下げてください」となりました(法務局から電話連絡をもらいました)。不動産登記の不動産番号と同じです。登録免許税は電子納付していたので、還付が問題です(やはりなにがあるかわからないので、収入印紙で納めておくのが無難か)。
取下げする前に、補正通知を出してもらったほうがよいと思い、法務局へ電話をして補正通知を出してもらいました。処理状況一覧の補正のところに表示されます。補正内容は「電話連絡のとおり」という簡単なものでした。申請書作成支援ソフトで取下書を作成し、司法書士の電子署名をして送信しました。
登録免許税の還付については、申請代理人の司法書士(私)が電子納付していたので、(本来、申請人の会社へ還付されるのですが)「還付通知請求書」(法務局に備えられています)の還付場所のところに、申請代理人の口座を記入し、1、申請代理人に当該申請の還付金代理受領を認める旨の会社の「委任状」と、2、「電子納付情報」(申請番号、納付番号や納付済みなどの記載のあるもの。オンラインの処理状況一覧のところの納付コメントをパソコンから打ち出したものです) を添付して請求すれば申請代理人へ還付されるというのを法務局で教えてもらいました(詳しくは法務局へ)。これで、司法書士の口座へ直接還付されます。失敗して判ることもあります。
後日、恥をしのんで会社に事情を話し委任状をもらい(登記申請の委任状ではダメで、別途、還付についての委任状が必要です)、法務局へ書類を提出し、税務署から還付を受けました。(このオンライン申請・電子納付の場合の申請代理人(司法書士)への登録免許税還付は、こちら近畿地方だけの取扱かもしれませんので、できるかどうか法務局でご確認下さい)
→現在は、オンライン検索できるようになっており、また、会社法人等番号は、12桁記入することになっているので、株式、有限などの区別より、この会社法人等番号が優先されると思われるので、現在は、このようなことはないと思います。
→登録免許税の還付については、現在は、登記申請の委任状に「登記に係る登録免許税の還付金を受領すること」の文言があれば大丈夫です。