司法書士とくの日記(ブログ)

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不動産登記のオンライン申請

オンライン申請をした直後に法務局から電話

「今、オンライン申請された件ですが、不動産番号、間違っていませんか?」

「えっ!」

慌てて確認すると、1個数字が間違っている・・・

何度も確認していたのに・・・ 

不動産番号は、間違えると補正ができないと思っており(間違った番号の不動産につき登記簿がロックされ、本来の登記すべき不動産はロックされない)、注意していたのに・・・

いったん取下げか、と思いましたが・・・

 

「間違ってました。〇〇・・・・番です」

「それでは、補正をしてください」

「えっ!補正できるの?」

 

ということで、

(補正通知をもらい)

補正するで済みました。

申請してすぐだったので補正できたのかもしれませんが(オンライン申請の場合、すぐ見てもらえる)。

補正通知

申請情報に、下記のとおり補正を要する箇所があります。ご不明な点があれば、(調査担当〇〇)までお問い合わせ願います。

〈補正を要する事項〉

不動産番号の補正 (正)1234567・・・(誤)1234566・・・

 

補正は、登記申請に誤りや不備があった際、申請の受付年月日受付番号は維持したまま、訂正することで、それで登記をOKにしてもらうが、もし、補正ができない場合は、いったん登記申請を取り下げして、正しい登記を申請し直すことになり、その場合は、あらためての受付年月日受付番号となる。金融機関の抵当権設定登記などは実務慣行上、その融資した日での登記が要請されているため、取り下げをして再申請が後日になると、(その間に別の登記が入ってしまうリスクと)司法書士としては信用を失ってしまう(かも)しれないリスクが生じる。

2012-02-22

 

不動産登記オンライン申請の際の注意点(過去の当HP記事転記)

① 登記原因証明情報のPDFファイルの添付(連件などで、他の違う登記原因証明情報を添付したりしないように)。→下記のように緩和されている

② 不動産を不動産番号で指定する場合、番号は間違わないように(これを間違うと取下げせざるを得なくなる)。→今回のように、補正可能か

③ 連件の場合、順番の番号を間違わないように注意する必要がある。

④ 管轄を間違わないように(送信先の法務局を確認)。→システム上チェックしてくれるようになっている

⑤ 登記識別情報を提供する場合、委任状に「登記識別情報の暗号化に関する一切の件」が必要。

取引の場合、取下げが困難なので、上記注意点①から④は重要。

⑤については、(売買取引 抵当権抹消、所有権移転、抵当権設定の連件申請のケース)登記識別情報を提供する所有権移転登記の義務者(売主)については必要、また、抵当権抹消登記につき、金融機関(義務者)から登記識別情報通知書を受取り、登記識別情報を提供してオンライン申請する場合、金融機関の委任状にも「登記識別情報の暗号化に関する権限」の記載(受任)が必要。抵当権設定登記については、(連件のため)登記識別情報は提供されたものとみなされ、暗号化して送信する訳ではないので、抵当権の設定者(抵当権設定登記の義務者・買主)の委任状には、「登記識別情報の暗号化に関する権限」の記載(受任)は不要。

 

登記原因証明情報のPDFファイルの添付についての緩和

大阪法務局(平成29年6月30日付)

不動産登記オンライン申請 - 司法書士とくの日記(ブログ)

 
東京法務局の令和2年3月11日付け首席登記官(不動産登記担当)事務連絡
不動産登記令附則第5条第1項の規定によって登記の申請をする場合に申請情報と併せて提供すべき登記原因を証する情報の取扱いについて 
1、申請情報と併せて提供されたPDFファイルに記録された登記原因証明情報の内容について字句の訂正又は記載の一部遺漏がある場合 
PDFファイルに記録された登記原因証明情報の内容(登記原因又は登記事項に関する部分を含む。)に字句の誤り又は記載の一部遺漏がある場合であっても、特例方式によって後から提出された登記原因証明情報の原本に、これらの字句の訂正又は遺漏箇所の記載がされ、これらが形式的な訂正等であると判断できるときは、適法なPDFファイルの提供があったものとして事務処理を行う(書面申請の取扱いと同趣旨)こととする。なお、この場合、補正通知によりPDFファイルの差し替え等は要しない。 ただし、単なる誤記の域を超え、当初の登記原因等と根本的に異なるものであるなど、架空の登記の申請又は登記妨害など不当な申請と登記官が疑うに足りる相当な理由がある場合は、不動産登記法(以下「法」という。)第25条第5号の規定により却下する。 
2、PDFファイルの提供の誤りの場合 
(1)適正な登記原因証明情報が申請当時に存在していたことが推認できる場合 
PDFファイルの提供がない場合又は全く異なったPDFファイルの提供があった場合であっても、同日かつ同一の申請人又は申請代理人が申請した別の登記申請(連件申請における添付誤りなど)に当該登記申請に提供すべきPDFファイルが提供されていた場合は、架空の登記の申請又は登記妨害など不当な申請でなく、かつ、適法な登記原因証明情報が申請当時に存在したと認められることから、補正コメントを付した補正通知をするとともに申請人等に電話連絡し、申請人等から補正情報と併せてPDFファイルの再送をすることを認めることとする。なお、この再送を認めるのは一度に限るものとし、かつ、補正情報が登記所に到達するまでの間に同一不動産に対して当該登記に抵触する登記の申請又は嘱託がない場合に限るものとする。また、既に登記原因証明情報の原本を登記所に送付しているなど、PDFフ ァイルを改めて作成することができず、補正を行うことができない場合は、その旨を登記官が申請情報等に補記することをもって、申請人等が補正したものとみなす扱いとする。・・・
(2)適正な登記原因証明情報が申請当時に存在していたことが推認できない場合
PDFファイルの提供がない場合又は全く異なったPDFファイルの提供があった場合であって、同日かつ同一の申請人又は申請代理人が申請した別の登記申請に当該登記申請に提供すべきPDFファイルが提供されていたことが確認できない場合は、適法なPDFファイルの提供がなかったものとして、取下げの機会を与えた上で、法第25条第5号の規定により却下するものとする。
(3)補正情報とともに適正なPDFファイルが提供されない場合及び補正までの間に同一不動産に対して登記の申請等があった場合 
補正情報とともにPDFファイルが提供されない場合及び再度全く異なったPDFファイルが提供された場合、並びにPDFファイルを添付した補正情報が登記所に到達するより前に、同一不動産に対して当該登記に抵触する登記の申請又は嘱託があった場合は、取下げの機会を与えた上で、法第25条第5号の規定により却下するものとする。 
3、取下げ又は却下が反復継続的に行われる申請の場合 
上記1及び2について、取下げや却下が繰り返し行われている申請については、本取扱いにより補正を促すことを要しない。
以上
 
この東京法務局の事務連絡では、連件の申請で、間違えて、他件の登記原因証明情報を互い違いに添付してしまった場合など、補正で再送を認める、ということだから、単純な添付忘れ(他の申請のどこにも添付されていない場合)はダメかもしれません(添付忘れは、システム上、注意してくれますので、あまりないとは思いますが)。ただ、(こちらから)すぐに気づいて法務局に存在を連絡すれば、(適正な登記原因証明情報が申請当時に存在していたことが確認できるとして)補正で再送を認めてもらえる可能性はあると思います。
 
平成20年の頃に書いたもの(商業登記)・・・

やってしまいました。オンライン申請(商業登記)初の取下げです。申請書作成支援ソフトで申請書を作成する際、最初のところ(会社法人等番号)、プルダウンで株式会社か有限会社かなど、選ぶところがあります(6桁の会社番号を入力する前のところ)。そこを有限会社であるにもかかわらず、株式会社にしていました。この間違いは、補正ができません。(有限会社は特例で本来株式会社だ、などと言っても許してもらえません)どこかの株式会社の登記記録がロックされ、本来申請すべき有限会社はロックされません。ので、ここの株式か有限かなど選ぶところと、会社番号のところは補正不可で、「取り下げてください」となりました(法務局から電話連絡をもらいました)。不動産登記の不動産番号と同じです。登録免許税は電子納付していたので、還付が問題です(やはりなにがあるかわからないので、収入印紙で納めておくのが無難か)。

取下げする前に、補正通知を出してもらったほうがよいと思い、法務局へ電話をして補正通知を出してもらいました。処理状況一覧の補正のところに表示されます。補正内容は「電話連絡のとおり」という簡単なものでした。申請書作成支援ソフトで取下書を作成し、司法書士電子署名をして送信しました。

登録免許税の還付については、申請代理人司法書士(私)が電子納付していたので、(本来、申請人の会社へ還付されるのですが)「還付通知請求書」(法務局に備えられています)の還付場所のところに、申請代理人の口座を記入し、1、申請代理人に当該申請の還付金代理受領を認める旨の会社の「委任状」と、2、「電子納付情報」(申請番号、納付番号や納付済みなどの記載のあるもの。オンラインの処理状況一覧のところの納付コメントをパソコンから打ち出したものです) を添付して請求すれば申請代理人へ還付されるというのを法務局で教えてもらいました(詳しくは法務局へ)。これで、司法書士の口座へ直接還付されます。失敗して判ることもあります。

後日、恥をしのんで会社に事情を話し委任状をもらい(登記申請の委任状ではダメで、別途、還付についての委任状が必要です)、法務局へ書類を提出し、税務署から還付を受けました。(このオンライン申請・電子納付の場合の申請代理人司法書士)への登録免許税還付は、こちら近畿地方だけの取扱かもしれませんので、できるかどうか法務局でご確認下さい)

→現在は、オンライン検索できるようになっており、また、会社法人等番号は、12桁記入することになっているので、株式、有限などの区別より、この会社法人等番号が優先されると思われるので、現在は、このようなことはないと思います。

→登録免許税の還付については、現在は、登記申請の委任状に「登記に係る登録免許税の還付金を受領すること」の文言があれば大丈夫です。

登録免許税の還付 - 司法書士とくの日記(ブログ)