司法書士とくの日記(ブログ)

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(住民税)特定配当等の全部申告不要について(廃止)

次の過去ブログの、(所得税については申告で総合課税)市県民税については全部申告不要については、(今般、今年の)令和4年分(2022年分)の申告までで、来年申告の今年の令和5年分の申告については、できなくなります。今般の今年は大丈夫で、来年申告の令和5年分申告からできなくなります。

 

上場株式等に係る配当所得等について、「所得税」と「個人住民税」で異なる課税方式を選択できることが平成29年度税制改正において明確化されましたが、令和4年度税制改正で「所得税」と「個人住民税」で異なる課税方式を選択できなくなります。適用時期は令和5年分の所得税からとなります。改正前の「所得税」と「個人住民税」で税制上の有利・不利を踏まえた選択が一切不可となります。したがって、各所得の課税方式において所得税で選択できる課税方式は変更ありませんが、そこで選択した課税方式がそのまま個人住民税にも適用されることになります。令和4年分の所得税確定申告(令和5年度(令和4年1月1日から令和4年12月31日の間に得た収入)の個人住民税)が最後の選択可能な申告となりますのでご留意ください。ということです。

・・・良いとこ取りは許さないということでしょうか。

 

(過去ブログ)

医療費控除、(住民税)特定配当等の全部申告不要 - 司法書士とくの日記(ブログ)

(特定口座で源泉されている)配当所得等がある方(その他の収入は年金のみ)

特定口座で配当等が源泉されている方(収入は年金のみで少ないのに多額の源泉がなされている)

税務署へは総合課税で確定申告(還付申告、所得税の還付)

市役所へは申告不要とする(配当割額の源泉で終了させる)

でメリットがある場合が多いです。

年金受給者の確定申告(メモ)2 - 司法書士とくの日記(ブログ)

年金受給者の確定申告(メモ)3-成年後見人が被後見人の税金の申告をする場合(まとめ) - 司法書士とくの日記(ブログ)

平成29年度税制改正により、特定配当等に係る所得及び特定株式等譲渡所得金額に係る所得(以下「上場株式等の特定配当等」)について、所得税と個人住民税で異なる課税方式(申告不要制度・総合課税・申告分離課税)を選択できることが明確化されました。例えば、上場株式等の特定配当等について、所得税の確定申告では「総合課税」で申告し、個人住民税は申告不要制度を選択して申告すると、上場株式等の特定配当等が後期高齢者医療保険料、介護保険料等の算定基準となる合計所得金額や総所得金額等に含まれないため、保険料の増額等を抑えることができる場合があります(源泉されている所得税は還付でき、個人住民税は配当割額の源泉で終了させて社会保険料の計算の所得に加算させない)

所得税と個人住民税で異なる課税方式を選択したい場合は、市民税・県民税納税通知書送達前までに所得税の確定申告書とは別に市民税・県民税の申告書の提出が必要です。期限までに市民税・県民税の申告書の提出がない場合は、所得税の確定申告書における課税方式が個人住民税のうえでも適用されます・・・

ということで、これまでは市役所に全部申告不要の申告書を提出しなければなりませんでした(といっても、これ用の書類が用意されていてむずかしいものではありませんが・・・)。

しかし、今回(令和3年度分)からは、税務署に提出する確定申告書第二表の住民税・事業税に関する事項の「特定配当等・特定株式等譲渡所得の全部申告不要」のところに〇を記載するでよくなりました(別途、市役所に提出しなくてもよくなり楽になります)。

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上場株式等に係る配当所得等および譲渡所得等の課税方式の選択について|西宮市ホームページ

なお、(ただしですが)ご本人が源泉を選択し確定申告不要にしているのに、成年後見人があえて申告(還付申告)するかどうかはケースバイケースになると思います。

 

例えば、NTTドコモ株の上場廃止、売渡請求による強制買取の譲渡益がある場合(令和2年度か3年度分で申告)など、(特定口座管理でない)一般株式の売却は源泉されていませんので、特定口座の源泉されている配当等とは別に、これが含まれている場合は、国税庁確定申告書等作成コーナーのところで、全部申告不要のところに〇を記載することができません。この場合は従来通りの「市県民税 特定配当等・特定株式等譲渡所得金額 申告書」を市の市民税課に提出する必要があります(市に判るように確定申告書の控え、特定口座年間取引報告書などの必要書類も添付)。すべての申告不要を選択し、申告分離課税で、上場株式等の譲渡等のところに、収入金額と所得金額(利益)を記載します。

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国内株式投資信託の分配金について、「配当控除」*の適用となるかどうかの確認方法

配当控除の適用となるか否かは「特定口座年間取引報告書」などに記載されている「外貨建資産割合」と「非株式割合」で確認できます。

注)「外貨建資産割合」または「非株式割合」が、「制限なし」や「約款規定なし」である場合、75%超とみなされ配当控除の適用はありません。「制限なし」や「約款規定なし」である場合、国税庁の確定申告作成コーナーの配当控除の計算のところ(配当控除の入力)で「外貨建資産割合又は非株式割合のいずれか高い方の割合が75%超であるもの」に含まれることになります。

*配当控除とは、国内株式等の配当等について、総合課税を選択して確定申告をした場合に適用される税額控除です。例えば、国内株式の配当は、通常、法人税が課された後の利益を株主に分配するものですが、ここにさらに所得税が課されると二重課税になってしまいます。これを排除する意味で、税額控除として設けられたものが配当控除になります。