司法書士とくの日記(ブログ)

司法書士業務、マラソン、その他

高齢者の施設について

神戸マラソン大阪マラソンは両方とも落選でした。

 

さて、後見業務では、

施設入所に関わることは多く、また、いろいろな施設を見学する機会があります(老人ホーム紹介センターの方に依頼して、その相談員の方といっしょに(ケースによりご本人、親族の方もいっしょに)見学することが多い)。

 

高齢者の施設についてのメモ

 

介護保険の施設(3つ)

1、介護老人福祉施設特別養護老人ホーム(特養)

原則、要介護3以上(介護度が高い人が入所する施設)。低所得でも負担が重くならないように軽減措置があり、低所得者でも入居可能(年金が月7万円程度の方で生活保護を受けて賃貸住宅に住まいされていた方がいましたが、特養に入所となり、特養での生活は月7万円程度の年金でまかなえるので生活保護が廃止になったことがあります。ただし、収入が少なくても預貯金等の資産が一定額以上ある人は軽減が受けられないことがあります)。待機者が多い場合があり(順番待ち)、必要性の高い人が優先される。その場所に住民登録のある方が優先される場合が多い。あまり医療的措置は期待できないところが多く、また長期の入院となると通常、退所となる。

特別養護老人ホームへの入所申込 - 司法書士とくの日記(ブログ)

特別養護老人ホームの入所申込2 - 司法書士とくの日記(ブログ)

特養は事前に見学して検討するというより、(特養入所が必要な方については)片っ端から近くの特養に申し込みをして、空きが出たらそこへ入所という感じです。

低所得者の場合、役所で「介護保険負担限度額認定証」や「社会福祉法人等利用者負担軽減確認証」の交付を受けて軽減を受ける。

 

2、老人保健施設老健

短期、リハビリ中心

グループホームや特養の空き待ちで一時入所された方もいました)

(基本は短期。ただ、直接関与していた方ではありませんが、長期入所されている方もいました)

 

3、介護療養型医療施設(ほぼ、病院)

ここに居る方の経験はありません。医療的措置が必要で長期に入院されている方はいましたが、それは医療保険の適用されるもの(通常の病院に入院と同様)で、この介護保険が適用されるものではありませんでした。

 

民間施設(主なもの5つ)

1、介護付き有料老人ホーム(特定施設。特定施設入居者生活介護の指定を受けている)

施設内の介護サービスを利用(特定施設=介護付き)。パック料金で介護度に応じて料金が決まっている。

介護の費用が一定なので、あまり介護の必要でない人にとっては必要のない介護サービスがあったり、(もちろんケアマネさんがプランをたてて、必要のないサービスはしないことになるが、料金は変わらないので)割高感があるかも。ある程度、介護が必要な人向きか。自由度は次の2よりも劣るが、介護料金が一定なので安心。

(要介護度が上がり、要介護3以上になれば特養の申し込みができるが、この特定施設の指定を受けてる施設の場合、要介護度が上がれば費用は増えることになります。要介護1の方(収入等は少ない方)、区分変更で要介護3になれば、特養の申し込みができるが、要介護2になれば特定施設では費用が増えるので、介護認定の区分変更の申請するかどうかで、ケアマネさんといっしょに悩んだことがあります)

 

2、住宅型有料老人ホーム(特定施設の指定を受けていない)

介護が必要な人、あまり必要でない人、それぞれに応じてケアマネさんがプランを作成して、外部の介護サービスを利用(その人に応じた介護プランで、外部のいろいろなサービスを利用することが可能)。自由度は高い。1の施設の設置については総量規制があるので、この2が増えています。

 

1と2は賃貸ではなく、多くが利用権として契約。最初に入居一時金(前払金)が必要になるところが多い(最初に入居一時金を多く納めれば、その分、月額の費用は安くなる。入居一時金0円のところもある)。入居一時金については、多くが最初30%償却、その後、5年間で全償却になるところが多い。入居一時金については、90日(3か月)のクーリングオフ制度(短期解約特例制度)があり、この間に解約した場合、期間の家賃分などは差し引かれるが、ほとんど全額返ってくる。

 (ただし、名称が住宅型有料老人ホームとなっている施設がありましたが、契約は賃貸借の場合もありました)

 

1と2は施設内の介護サービス(特定施設)か、外部の介護サービスを使うか、という違いはありますが、(外部といっても併設している事業所と契約することが多く)実際のところは外からみて差は感じられません(外からみたら、どこが違うの?という感じです)

  

3、サービス付き高齢者向け(賃貸)住宅(サ高住)

一般的には外部の事業者と契約をして介護サービスを受けますが、特定施設の指定を受けている介護型のものもあります。(一般的に)当初の入居一時金は不要ですが、賃貸住宅なので敷金を納めます。費用も含め千差万別です。必ずついているサービスは「安否確認」と「生活相談サービス」のみということですが、1と2と同じように職員の配置、食事の提供などがあり、外からみて1、2とあまり変わらないところも多くあります。

特定施設でないサービス付き高齢者向け(賃貸)住宅(サ高住)は、賃貸借契約の住宅型有料老人ホーム(2)と差はほとんどない(というかサ高住だけれど名称が住宅型有料老人ホームとなっているところもあります)。

 特定施設のサービス付き高齢者向け(賃貸)住宅(サ高住)は、賃貸借契約の介護付き有料老人ホーム(特定施設)(1)と差は(ほとんど)ない。

 

4、グループホーム認知症対応型共同生活介護

地域密着型サービス(その場所に住民票がある方が対象)。要支援2以上。

認知症状のある方が共同生活をおくる(部屋は個室が多い)。家庭的な感じ。費用はいろいろですが、比較的安くで入所できるところも多い、生活保護を受けている人も入所されています(上記1,2,3の施設でも生活保護を受けている方が入所可能なところはあります)。認知症状が進み、不安感が強い方は、このような常に身近に(そばに)人がいるような施設に入ると不安感が軽減し落ち着かれることがあります。

減薬 - 司法書士とくの日記(ブログ)

 

5、ケアハウス

3と同様、介護が必要となった場合、一般的には外部の事業者と契約をして介護サービスを受けますが(一般型)、特定施設の指定を受けている介護型のものもあります。一般型の場合、原則、自立の方となっている場合があり、介護度が重くなると(他の施設などへ)退去(退去要請)となったりします。ケアハウスという名がついていても、一般型の場合、職員数は少なく夜間は職員がいなくなり、食事の提供があるぐらいで、高齢者施設のイメージとは異なるところもあります。

 

費用について

民間施設はほんとうに安いところから高いところ、いろいろです。感じとして民間の施設は立地に大きく左右されていると思います。予算的に厳しい人は、施設候補を地価が安いところ(場所)へと広げざるを得ません。

 

その他

養護老人ホーム

老人ホームの名称になっていますが介護施設ではありません。なんらかの理由で住むところがなく(現在の環境では生活困難)、行き場のない方が、自治体の措置などにより入所できるところ。基本、自立した65歳以上の方。

 

施設探しについて - 司法書士とくの日記(ブログ)