司法書士とくの日記(ブログ)

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会社がない?

会社がない?

 

ある会社から

「いつの間にか登記されている会社名(商号)が間違いになっている」という相談がありました。

商号の最初の漢字の部首が「くさかんむり」なのですが、

商号は、「くさかんむり」の横棒が途切れている(横棒の途中に空白がある)のが正しくて、

これが(いつの間にか)普通の「くさかんむり」になっている

ということ・・・

(例えば仮名「菊屋不動産有限会社」という商号で、菊の文字のくさかんむりの横棒に空白がある「十 十」になっているのが正しい商号とか)

(コンピューター化前の)古い会社謄本(商号、目的欄は紙ベースで申請人側で作成していました)を見せてもらうと、確かに、普通のくさかんむりではなく、横棒の途中に空白があります(くさかんむりが「十 十」になっている)。

 

どうも、法務局で、

登記簿のコンピューター化の移記の際、普通の「くさかんむり」で登記されたようです。

 

私は、普通のくさかんむりの漢字で登記されたのを奇貨として、このままでもよいのではないかと思い、「支障なければ、このままでよいのではないですか」と言うと、

「この商号は、親父が個人でやっていた屋号時代からのもので、お寺でみてもらいつけたもので、よい画数なので、この漢字でないとダメです。」と言われました(思い入れのある漢字)。

 

そこで、法務局に連絡したところ、(これはコンピューター化の移記の際の法務局のミスということで)すぐ直してくれました。商号の最初の文字(漢字)が外字になります。

 

・・・しばらくして、

同じ会社から、

会社が存在しないと言われています、と相談がありました。

「やっぱり、そういうことがあるか・・・」

この会社の、ある取引先が、登記情報提供サービスで、この会社を検索したところ、出てこないらしく、本当に会社があるのかどうか?問い合わせがあったということ

(このようなことがあるかもと思い、前の相談の際一応説明して、普通の漢字のままで直さなくてもよいのでは、とアドバイスしていましたが・・・)

 

登記情報提供サービスは、パソコン等に(通常)会社の商号を入力して検索しますが、

この会社のように商号の最初の文字(漢字)が、外字の場合、検索条件として「前方一致」で普通のくさかんむりの漢字で検索しても、その会社は出てこないことになります。この会社を検索しようと思ったら、商号の最初の外字になっている漢字は入力せずに、検索条件を「部分一致」でしないと出てきません(会社番号が判っていればそれで検索できますが、そうでない場合は検索がしにくい)。

このように商号の最初の文字が外字の場合、登記情報提供サービスで調べる際、注意が必要で、(検索がうまくできず)出てこない場合、「架空の会社か?」と疑われてしまいます。

 

余談

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