<一事例>
ある方、山田一郎氏(昭和24年9月生)
平成25年12月(64歳のとき)、
路上で倒れているところを発見され、病院へ救急搬送
(倒れた際、頭を打っており)高次脳機能障害により意思疎通が困難
持ち物から、住所、氏名、勤務先は判明
関わることができる親族がいないため、市長申立により、成年後見人に就任
収入、財産の調査
財産はほどんどなく、生活保護申請
生活保護を受けるようになる(65歳から老齢厚生年金も支給)
障害年金の支給申請
病院へ救急搬送された時点(初診日)が65歳未満であったので、
初診日から1年6カ月経過後、(医師の診断書を取得し)平成27年9月、障害年金の支給申請をする
(初診日が65歳以降の場合は基本、老齢年金となり、障害年金の支給申請はできない)
(障害年金は、原則、初診日から1年6カ月経過しないと請求できない)
審査を経て、平成28年3月、障害年金(障害1級)が認められ(すこし遡って)初診日から1年6カ月経過時点(障害認定日の平成27年6月)から障害基礎年金が支給されることとなる
障害年金を受給できるようになり(遡って平成27年6月から支給)、すでに受け取っていた老齢年金との調整(平成27年7月~平成28年3月の期間の調整)で、平成28年4月に調整年金額として25万円を受け取る。
調整年金額25万円は、生活保護との関係で、福祉事務所へ返金。
その後、老齢厚生年金と、障害基礎年金の併給(調整はありますが、併給が可能となっている)
このように(老齢年金だけの場合よりも支給額が多くなる)障害年金を受けることができる可能性がある場合は、生活保護の福祉事務所から成年後見人に対して障害年金の申請を要求されます(「障害年金の支給申請をしてくださいね」と)。
<一事例>
ある方、鈴木花子さん(70歳)
平成24年12月、左脳出血により病院へ救急搬送、手術入院
平成25年3月、さらに右脳出血のため意思疎通困難
平成25年9月、関わることができる親族がいないため、市長申立により、成年後見人に就任
調べると、この方、過去、平成24年3月までの障害年金(精神障害、てんかん)は支給されていたが、(更新のための)診断書未提出のため、その後の障害年金支給が支給されない(ストップした)ままになっている(無収入)
精神の障害者手帳の更新もできていない
遡って障害年金(精神)を受けるため、過去、受診歴のある病院を何件かあたるが、診断書作成に応じてもらえない(1年以上前であり、当時の受診回数が少ない、診断名が抑うつ神経症となっているなどが理由)
障害者手帳更新のための診断書も頼んだがその作成もできないということ(精神疾患での診断書の取得は不可能)で、障害年金(遡及請求)、障害者手帳更新の手続ができない
診断書を作成してもらえる病院(医師)がないため、(やむを得ず)老齢基礎年金を請求
至急、生活保護の申請、別途、身体障害の認定(身体障害者手帳取得)検討
その後、生活保護が認められる
老齢基礎年金が遡って支給される(障害年金が支給されなくなったところから)
このケースは医師の診断書の取得ができなかったため障害年金はあきらめ、(支給額は減ってしまうが)老齢年金にした事例
(余談 この生活保護申請はすんなりとはいかなかった。この鈴木花子さんには別居の夫がおり、その夫にも別の成年後見人が就任していたが、この妻である鈴木花子さんへの生活援助はできないということで、夫婦だけれど世帯分離、家計は別々、夫からの扶養は期待できないことを主張して・・・、また処分活用困難な夫婦共有名義の借地上の家があったりしたが・・・なんとか夫とは別にこの鈴木花子さんのみ生活保護を受けることができた)