司法書士とくの日記(ブログ)

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すこし気になる

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五十肩で、病院へリハビリに通っていますが、

なかなか良くはならないです(一進一退)・・・

 

さて、

不動産の相続登記において、

 

被相続人の登記簿上の住所が、

「西宮市A町一丁目1番1号」

になっている。

 

被相続人の除票(本籍記載のもの)で、

被相続人の最後の住所が、

同じ「西宮市A町一丁目1番1号」

になっている。

 

この場合は、(一応)登記名義人と、被相続人は、同一性ありとされるが、

 

しかし、例えば、

除票で、「西宮市A町一丁目1番1号」の住所になったのが、

平成10年1月1日で、

その前の住所は、他の市(尼崎市など)で、その前は不明な場合

 

登記簿で、

登記名義人として住所が「西宮市A町一丁目1番1号」で登記されたのが、

平成2になっている場合(その後、住所変更登記をして移記などはないとして)、

平成2年当時の住所は、この除票ではわからないので、

住所の証明ができていないということになる。

 

同一人物だとすると、

平成2年当時の住所が、「西宮市A町一丁目1番1号」で、

その後、住所を転々として、同じ「西宮市A町一丁目1番1号」に

戻ってきたと考えられる。

そして、この登記簿上の住所と同じ住所が最後の住所となる。

 

でも、このことは(除票では、前の登記された平成2年当時の住所が不明なため)この除票のみでは証明されていない。

が、おそらく、(同一性について)この除票のみで登記はできると思われる。

 

ただ、すこし、気持ちが悪いので、

できるだけ(取得可能な)前の除票や、戸籍の附票を取得するが、保存期間経過で、平成2年当時の住所は証明できないことが多い。

 

このようなケースで何件か登記したことがあるが、同一性が証明できない時のような、別途、権利証書(所有権の登記済証・登記識別情報)、上申書、固定資産納税通知書などの提出を求められたことはない。

 

法定相続情報一覧図の写しに被相続人の最後の住所が記載されており、それが登記簿上の住所と同じであれば、これだけで同一性はあるとして、相続登記はできる、

との比較からも、できると思われる。

また、除票記載の前住所が登記簿上の住所と同じ場合もOKだが、その前住所が登記時の住所とは限らないという点は同じである。

例えば、前住所からの移転日が平成10年1月1日、前住所が登記簿上の住所で、登記日が大分古い昭和60年などの場合、他の戸籍の附票などで、登記簿の住所と異なる、前住所のさらに前の住所が(例えば平成5年などで)で出てきている場合など・・・(これも同一人物だとすれば、住所を転々として、登記簿の住所に戻ってきたと考えられる)

 

平成29年3月7日不登第51号照会
平成29年3月23日法務省民二第174号回答
平成29年3月23日法務省民二第175号通知

住民票の写し(ただし、・・・本籍及び登記記録上の住所が記載されているものに限る。)

登記時の住所として・・・、などの但しは付いていない。

被相続人との同一性(2) - 司法書士とくの日記(ブログ)

 

追(参考)直接には関係ありませんが・・・

数回の住所移転を経た結果、登記記録に記載された住所と同一の住所となった場合は、所有権登記名義人住所変更の登記申請を要しない(登記研究379号91頁)

 

住所変更登記で登記識別情報添付 - 司法書士とくの日記(ブログ)