司法書士とくの日記(ブログ)

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本店移転登記の登録免許税

会社の本店移転登記を申請する際、
登録免許税はいくらかかるでしょうか?


神戸市から尼崎市へ本店移転の場合
金3万円
豊岡市から神戸市へ本店移転の場合
金3万円


東京都中央区から東京都新宿区へ本店移転の場合
金6万円
大阪市から神戸市へ本店移転の場合
金6万円
かかります。


なぜか移転する先によって異なっています。



これは、どういうことかというと、


各地の本局、支局、出張所の
各法務局には管轄区域があり、
旧本店と同一管轄区域内の場所への移転であれば、
3万円、
管轄区域の異なる他の法務局管轄の場所への
移転であれば、6万円になるということです。


本店移転登記は、
旧本店と同一管轄区域内の場所への移転であれば、
その法務局に申請すればそれで足ります。
しかし、
管轄区域の異なる他の法務局管轄の場所への
移転であれば、
旧本店管轄の法務局と、新本店管轄の法務局へ
それぞれ申請する必要が生じてきます。
(実際は、新本店分を含め2件の申請を
旧本店管轄の法務局へして、
(旧本店管轄の法務局を経由して)、
新本店管轄の法務局の分は、旧本店管轄の法務局から
新本店管轄の法務局へ送付されるようになっています)


登録免許税法では、
本店移転の登録免許税は、3万円となっています。
しかし、申請が2つの法務局へなされる
(実際は、経由してですが)、他管轄法務局の場所への
移転の場合は、それぞれの法務局に3万円ずつとなるので、
合計6万円になるということです。


神戸地方法務局は兵庫県全域を管轄していますので、
神戸市から尼崎市へ本店移転の場合、
豊岡市から神戸市へ本店移転の場合、
神戸地方法務局へ申請するだけになりますので、
登録免許税は金3万円になります。


しかし、
東京都中央区から東京都新宿区へ本店移転の場合は
東京法務局(東京都中央区などを管轄)と、
東京法務局新宿出張所(東京都新宿区を管轄)へ、
それぞれ申請する必要がありますので、金6万円になります。
大阪市から神戸市へ本店移転の場合も、
大阪の法務局と神戸地方法務局へ申請しますので、
金6万円になります。


このようなことは、
当たり前のように(決まっていることとして)
実務本や司法書士受験本に載っていますので、
司法書士の受験勉強の頃から(なんの疑問もなく)
当たり前のように受け入れていました。


しかし、開業してから、
他管轄への移転の場合
お客さんから「えっ!そんなにするの」
とよく言われ、よくよく考えてみると、
本店移転という事実は1つなのに、
たまたま管轄法務局が異なるというだけで
登録免許税が倍になるなんて、おかしい感じもします。


兵庫県の場合、
現在は(会社登記の管轄は)
神戸地方法務局のみになりましたが、
以前は、
神戸市から尼崎市へ本店移転の場合は
神戸地方法務局と、神戸地方法務局尼崎支局への
申請が必要で、合計6万円かかっていました。


法務局の管轄区域が変更されると、
6万円が3万円になったりします。


本店移転で、それぞれの法務局へ
それぞれ3万円必要というのは、
(私が払う訳ではありませんが)
なんかぼったくられているような感じがしないでもないです。


追(余談)
「管轄外への本店移転の登記申請があった場合における
登記すべき事項の取扱いについて(通知)」
「平成29年7月6日付法務省民商第111号法務省民事局商事課長通知」

新本店所在地における登記の申請書には、
登記すべき事項として、商業登記法第53条に記載する事項
(ただし「会社の成立年月日」を除く)の記載があれば足り、
その他の事項の記載を省略しても差し支えないものとされた。

商業登記法第53条
新所在地における登記においては、
会社成立の年月日並びに
本店を移転した旨及びその年月日をも登記しなければならない。

要するに
「本店を移転した旨及びその年月日」の記載だけで足りる
ということになります。
他管轄への本店移転登記(楽ちんに) - 司法書士とくの日記(ブログ)


(添付書面の特例)
商業登記法第19条の3
この法律の規定により
登記の申請書に添付しなければならないとされている登記事項証明書は、
申請書に会社法人等番号を記載した場合
その他の法務省令で定める場合には、添付することを要しない。