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遺留分侵害額請求と相続税

遺留分侵害額請求

民法改正(相続法改正)2 - 司法書士とくの日記(ブログ)

特別受益と遺留分侵害 - 司法書士とくの日記(ブログ)

 

例(単純化した一例)

遺産額 8000万円(内訳 甲銀行に7000万円の預金、乙銀行に1000万円の預金)

相続人

長男A

二男B

遺言の内容

「甲銀行の預金を長男のAに相続させる。乙銀行の預金を二男のBに相続させる」

 

特別受益はないとして・・・

Aへの遺言による相続は、Bの遺留分を侵害しているといえる。

侵害額は、8000万円×2分の1×2分の1=2000万円-1000万円=1000万円

BはAに対して1000万円の遺留分侵害額請求をすることができる

 

行使の仕方

遺留分侵害額請求権は、知ってから1年という短期の消滅時効が定められているので、まず「遺留分を侵害しているので遺留分侵害額請求をする」旨を相手(A)に伝える(口頭でも認められるが証拠を残すために一般的には内容証明郵便で請求)→金銭債権化

具体的な金額を示しての請求は後でもよい

具体的な金銭請求権は5年で消滅時効になるので注意が必要

(前ブログ)

遺留分侵害額請求権は、遺留分権利者が相続開始及び遺留分を侵害する贈与又は遺贈があったことを知った時から1年間行使しないときは、時効によって消滅する。相続開始の時から10年を経過したときも同様とする(知らなくても10年の経過により消滅)。1年以内に請求すれば金銭債権となる。この金銭債権の消滅時効は、令和2年4月1日から施行される改正民法では、5年になっている(改正民法166条)

遺言執行者がいる場合

基本的には遺言執行者は(遺留分を気にする必要はなく)遺言とおりに執行していく

遺留分侵害額請求は遺言執行者に対してではなく相続人Aに対してする(なされるもの)

遺言執行する前に遺留分侵害額請求されることが確実になっている場合は、相続人の了解・同意のもと、遺留分を考慮しての遺産分割協議を検討することも可能か

 

相続税の申告(メモ)

上記の単純化した一例(遺産額8000万円)

基礎控除額 3000万円+(600万円×法定相続人の数2名)=4200万円

遺産が(葬儀費用等負債を考えても)基礎控除額を超えているので相続税の申告が必要

(国税庁 相続税の申告要否判定)

https://www.keisan.nta.go.jp/sozoku/yohihantei/top#bsctrl

申告前に遺留分が確定している場合は、それに基づいて申告する(当事者の遺留分侵害額請求に基づく合意書等の遺留分が判る書類が必要)

長男Aは遺言で7000万円相続、遺留分侵害額請求により1000万円マイナス(Bに交付)→実際の相続額(取得した遺産)6000万円として申告

二男Bは、遺言で1000万円相続、プラス遺留分1000万円→実際の相続額(取得した遺産)2000万円として申告

(相続税の申告は、基本、相続人全員の連名でし、課税遺産総額、各人の法定相続分に対応する取得金額、各人の法定相続分に対する税額、相続税の総額を算出して、その後、実際の相続額(取得した遺産)に基づき各人の相続税額を算出するようになっています)

(遺言に基づく)相続税の申告・納税をした後、遺留分侵害額請求がなされて確定した場合

Aについては更正の請求をして還付を受ける

Bについては(遺留分の増加分について)修正申告(相続税の期限後申告)をして税金を納める

もしくは納める相続税の総額は変わらないので更正の請求や修正申告はせずに相続人間で調整してもかまわない

遺言に基づくとあまりにも不公平なので、(遺言とおりに分けた後)AとBが話し合いをして、金銭のやり取りがあった場合、それを遺留分侵害額請求、遺留分の支払があったものとできる場合は、相続税の中で取り扱うことになります。