司法書士とくの日記(ブログ)

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懈怠パターン

懈怠

(毎年)次のような通知・公告がなされ、法務局による休眠会社の整理作業が行われています。

「最後の登記後12年を経過している株式会社及び最後の登記後5年を経過している一般社団法人又は一般財団法人は、まだ事業を廃止していないときは、本店又は主たる事務所を管轄する登記所に、その旨の届出をされたい。この公告の日から2か月以内にその届出がなく、登記もされないときは、その期間の満了時に解散したものとみなされる。」

株式会社や一般社団法人、一般財団法人については、役員の任期が決められており、定期的にその役員改選の登記をしなければならないことになっていますが、その登記がなされていないということは、休眠会社かもしれないということで、このような整理作業が行われています。

まだ、廃業しておらず事業継続している場合で、登記をしていないということは、懈怠になっているということになります。

 

廃業していない届出をした場合

役員の任期が満了しているのに改選をしていない(選任懈怠)。

改選したのに登記をしていない(登記懈怠)。

 

この懈怠の過料は(経験上、すべて)10万円になっており、

特別なことがなければ(裁判所には懈怠の事情は判らないので)一律10万円にしていると思われます。

任期は原則の2年で判断されています。

 

パターン(株式会社)

選任懈怠

1、(任期満了時の)定時株主総会が開催されたが後任者を選任していなかった場合(その定時株主総会終結時に任期満了している)

選任の臨時株主総会議事録の文言(一例)

議長は、定款の規定により、すでに、取締役全員の任期が、令和〇年〇月〇日に満了している旨(当会社の定款の規定では、取締役の任期は、選任後10年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会終結の時までであり、また、補欠又は増員により選任された取締役の任期は他の取締役の任期と同一とするとなっており、当会社の事業年度は毎年〇月〇日から翌年〇月〇日までで、現在の取締役全員の任期は、この定款の規定により令和〇年〇月決算に関する定時株主総会終結時までとなるが、その定時株主総会は令和〇年〇月〇日に開催され終結したが、取締役の改選はなされず後任者は選任されていない。)及びその後任を選任する必要があることを説明した。そして、下記の者を取締役に選任することにつき議場に諮ったところ、満場一致をもって承認可決した。

 

2、(任期満了時の)定時株主総会が開催されていない場合(本来開催されるべき最終時期、例えば6月決算で3カ月以内に開催であれば、9月末日で任期満了)で後任者を選任していない

選任の臨時株主総会議事録の文言(一例)

議長は、定款の規定により、すでに、取締役全員の任期が、令和〇年〇月31日に満了している旨(当会社の定款の規定では、取締役の任期は、選任後10年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会終結の時までであり、また、補欠又は増員により選任された取締役の任期は他の取締役の任期の残存期間と同一とするとなっており、当会社の事業年度は毎年〇月〇日から翌年〇月〇日までで、現在の取締役全員の任期は、この定款の規定により令和〇年〇月決算に関する定時株主総会終結時までとなるが、令和〇年〇月末までに開催されるべきその定時株主総会は(正式には)開催されていない。)及びその後任を選任する必要があることを説明した。そして、下記の者を取締役に選任することにつき議場に諮ったところ、満場一致をもって承認可決した。

 

登記懈怠

3、(任期満了時の)定時株主総会が開催され改選決議もしたが、登記をしていない

選任の定時株主総会議事録の文言(一例)

議長は、定款の規定により、現在の取締役全員の任期が、本定時株主総会終結をもって任期満了し退任となるので、その後任者選任の必要がある旨を述べ、総会に諮ったところ、下記の者を選任することにつき満場一致をもって承認可決した。

→この登記をしていない