10連休ということですが、
何か気になることは絶えず、頭が休まることはあまりありません。
さて、差押範囲変更の申立について
過去、借金をしていて、返済できず、債権者に判決などの債務名義を取得されている場合、預金や給与などの財産を差し押さえられることがあります。
収入が生活保護費や年金のみで、その他、財産がない方は、生活保護費や年金は差押えが禁止されていますので、大丈夫です。
ただし、生活保護費や年金は差押えが禁止されているとはいっても、そのお金が預金口座に入っている場合、その預金債権が差押えられる場合はあります。
その場合は、その差押え命令を発した裁判所へ、その「差押え命令の取り消し」を求めて、この差押えられた預金口座は生活保護費しか入っていない口座であるなどを主張して、「差押範囲変更の申立」をすることができます(下記参考書式)。
債権者は、債務者に差押え命令が届いてから1週間経てば取り立てができますので、この申立ては、それまでに急いでする必要があります(スピードが重要)。
また、それまでに申立てをした場合、裁判所が職権で、押えられた預金の銀行へ「支払(給付)禁止命令」を出してくれることが多いです。
なお、債権者が差押えするためには差し押さえる口座の銀行の支店まで特定する必要があり、その支店に口座がなかった場合空振りとなります(ただし、ゆうちょ銀行の場合は貯金事務センターになり範囲が広いので、ゆうちょ銀行に口座がある場合、押えられる確率が高くなります)。差し押さえられている範囲は、その差し押さえ命令が銀行等に達した時点の預金残高で、その後に入金されたものには及びません。
債務名義が取得されていても、その債権が「消滅時効」になっている場合は(消滅時効になっているようなケースで差押えまでしてくるケースがあるのかどうかは不明ですが。例えば、判決が確定してから10年経過しており、その間、承認にあたるような弁済や、差押え等の時効中断がない場合など)、「請求異議の訴え」と「強制執行停止決定(仮処分)の申立て」をしていくことになりますが、生活保護費の振込口座が押さえられている場合は、「差押範囲変更の申立」の方が比較的簡便だと思われます。
差押範囲変更の申立書(参考書式)
年 月 日
〇〇地方裁判所 御中
申立人(債務者) 〇〇〇〇
当事者 別紙当事者目録記載のとおり
申立ての趣旨
上記当事者間の〇〇地方裁判所平成〇〇年(ル)第〇〇〇号債権差押命令申立事件について、平成〇〇年〇月〇日になされた債権差押命令を取り消す。
との裁判を求める。
申立ての理由
申立人を債務者、相手方を債権者として、相手方は御庁に債権差押命令を申立て(御庁平成〇〇年(ル)第〇〇〇号債権差押命令申立事件)、平成〇〇年〇月〇年、債権差押命令がなされた。
ところが、本件差押命令によって差押えられた申立人の下記預金口座は、申立人に対し〇〇市から生活保護費が入金される口座であり、それ以外の入金はない口座である。
差押えられた預金口座
株式会社〇〇〇〇銀行 〇〇支店 普通預金
口座番号 〇〇〇〇〇〇〇 名義人 〇〇〇〇
差押えられた預金債権は、生活保護費が振込まれたものであり、生活保護費については、差押禁止債権であることからすれば、本件差押えも禁止されるべきである。
なお、申立人は生活保護費以外に収入はなく、本件差押命令により差押えられると生活していくことができない。
よって、申立ての趣旨記載の裁判を求めたく、本申立てに及ぶ。
添付書類
1 預金通帳
2 生活保護受給証明書
当事者目録
申立人(債務者)
〒
住所
氏名
連絡先電話番号
相手方(債権者)
〒
本店
商号 株式会社〇〇保証
代表者 代表取締役
〒
〇〇市〇〇〇町
上記代理人 弁護士〇〇〇〇
第三債務者
〒
本店
商号 株式会社〇〇〇〇銀行
代表者 代表取締役
〒
〇〇市〇〇〇町
株式会社〇〇〇〇銀行 〇〇支店
http://www.amy.hi-ho.ne.jp/sakai-siho/kougirokusaimu.pdf