司法書士とくの日記(ブログ)

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市長申立の後見と生活保護

入院されている方で
病院の入院代等が支払えなくなり、
その方につき、
市長申立で成年後見人に選任される
ケース


3件ほど、このケースで成年後見人になった。


すでに多額の入院費や家賃が
滞納となっている。
(後見申立の関係でだいたい6ヶ月分ぐらい)
財産調査の結果、この滞納となっている分は
払える見込みなし。


(これ以上、入院代等の負債が増えないように)
至急、生活保護の申請を試みるが、
すぐ生活保護の申請が受理されることはない。
市長申立なので、ある程度その方の状況は
市には判っているはずなのだが、
市長申立の部署と生活保護の部署は異なり、
その連携はとられていないため、
まず、あらためて福祉事務所で生活保護の相談をし、
その方につき、いろいろ事情を説明することになる。
1回目の相談では生活保護の申請はできず、
さらに詳しい財産調査等の指示を受け、
2回目の相談でもいろいろ検討課題を出され、
3回目ぐらいでやっと申請が受理される。
(その間も支払えない入院費等が増えていっている)
市長申立の成年後見でも生活保護の申請は
骨が折れるケースが多いと思った。
(後見の市長申立の部署では「よろしくお願いします」
という感じだが、同じ市でも生活保護の部署では
厳しい対応になる)


本来ならば、保護要件はもっと前(後見人選任前)
に満たしているはずで、
職権で保護されてもよさそうにも思える。
(市の説明では、保護になると国民健康保険が使えず、
入院費が全額負担になるので、後で財産が判明した場合
本人に損害が生じるなどの理由により保護にしないようだ)
http://d.hatena.ne.jp/tokucyan-siho/20140117


こういうケースでは
だいたい病院に迷惑がかかることになる
(多額の未払金が生じ、
その未払金は結局、支払えないことが多い)


公立の病院は、事情を話せば、
成年後見人に対して、未払分につき、
そんなに厳しい請求はなされないが、
私立の病院からは、厳しく請求される。
(厳しく請求されても払えないものは払えない)