司法書士とくの日記(ブログ)

司法書士業務、マラソン、その他

根気よく(2)

ある破産案件。

かなり高齢の依頼者。
私「最近転居されていますね。
その際、敷金の返還はありましたか?」
依頼者「えーっと。ありません。」
私「納めていた敷金はいくらだったのですか?」
依頼者「(家賃の)3ヶ月分ですから、21万円ぐらいでした。」
私「退去の際やその後で敷金の精算書のような
なにか書類はもらっていますか?」
依頼者「もらっていません。」
私「敷金21万円はなにもなければ返還されるものですよね。」
依頼者「わかりません。」
私「公団(都市再生機構)の賃貸住宅なので、なにもなければ返還される分が
あるはずですけど、家賃の滞納はありましたか?」
依頼者「家賃はきちんと支払っていました。」
私「返還敷金がはっきりしませんので、公団事務所で
返還敷金があるかどうかわかるような書類をもらってきてください。」
依頼者「よくわかりません。返ってくるお金はありません。」
私「一度、公団事務所で聞いてみてください。敷金の精算書のような
返還敷金の有無がわかる書類が必要ですので」
依頼者「私がないって言っているので信用できないのですか。」
私「そういうことではなく、裁判所に説明するため、書類が必要な
だけです。」
依頼者「私はバカなのでわかりません。」
私「一度、公団事務所に電話してみてください。また、公団事務所は近くなので
一度行って聞いてみてください。」
依頼者「すこしのお金でしたので、生活費に使いました。」
私「えっ?・・・返還はあったのですね。」
依頼者「家賃の滞納が3ヶ月あったので、返ってきませんでした。」
私「えっ?さっき、生活費に使ったって言ったじゃないですか。あの、
20万円ぐらいの返還で本当に生活費に使ったのであれば、
裁判所で問題になることはありませんから本当のことを言ってください。
あまり、不明な点が多いと管財事件になりますので」
依頼者「ですから返ってきたものはないって言っているでしょう。」
私「生活費に使ったというのはなんですか?」
依頼者「それは保険の分のことです。」
私「保険?家賃の滞納はあったのですか、なかったのですか?」
依頼者「きちんと支払っていました。」
私「それじゃ、3ヶ月滞納って言ったのはなんですか?」
依頼者「すみません。昔のことです。」
私「(-_-メ) とにかく書類が要りますので、公団事務所に問い合わせて
返還敷金の判る書類をもらってきてください。」


預金口座で保険料が振り替えられていた保険。
私「この保険は現在どうなっていますか。」
依頼者「やめています。」
私「やめているというのは解約したということですか?」
依頼者「わかりません。」
私「きちんと解約したのか、それとも保険料を支払わずに
ほったらかしになってるのかどうなのですか」
依頼者「私がほったらかしにするような人間にみえますか。」
私「いえ。そういうことではなく、きちんと解約したので
あればその書類はありますか?」
依頼者「ありません。」
私「この保険は現在どうなっているか、それと解約返戻金が
あるのかどうか調べる必要がありますので、
保険会社に問い合わせてください。」
依頼者「私はバカなのでわかりません。」
私「(-_-メ) とにかく解約したかどうか、解約返戻金があるかどうかの
書類が要りますので、保険会社に問い合わせて取り寄せてください。」


こんな調子で延々と聞き取り調査が続く・・・。


根気よく(1)
http://d.hatena.ne.jp/tokucyan-siho/20080224