司法書士とくの日記(ブログ)

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漏れ2

なんどか記事にしていますが、

古いマンションで、専有部分以外に集会所などが、

そのマンションの各戸(専有部分)所有者全員の共有になっていることがあり、

これが相続の際、遺産分割で漏れていることがあります。

今回は、

他の士業の方が作成、段取りした遺産分割協議書での相続登記でしたが、

抵当権の共同担保目録があって、それには記載なし

固定資産税納税通知書(課税明細)がありましたが、

名寄帳も取得されており、そこにも記載がないので、

安心していたところ、

実は、集会所の持分が存在しており、それが漏れていました。

まず、抵当権の共同担保目録に記載がなかったのは担保漏れになっていたということです。他の専有部分ではきちんと(集会所の持分が)共同担保目録に入っています。

たまたま、今回、相続登記することになった方については担保漏れが生じていました。

名寄帳には、この集会所の記載はまったくありませんでした。

今回、なぜ、集会所持分があることが判明したかというと、

今回の相続登記は被相続人の登記簿上の住所が戸籍の附票で証明ができるので、権利証書(所有権の登記済証)は不要なケースでしたが、念のため「権利証書もあればお願いします」と言っていたところ、(当初はないということでしたが)後で探したところ「ありました」と、(ちょうど相続登記申請しようと思っていたところで)送付されてきました。そして、その権利証書をみたところ・・・

「あれ?集会所がある」

一番、最後のところに集会所の分が綴られていました。

(慌てて)すぐに、その集会所の登記情報を取得しようと思いましたが、

この集会所、登記した時と家屋番号が異なっており(取得が仮換地で換地前のもの、土地区画整理法による換地処分後、家屋番号変更)、集会所の家屋番号が特定できません。そこで、適当に他の方の専有部分の登記情報を取得して、そこに付いている共同担保目録で家屋番号を特定し、なんとか登記情報を取得しました。

登記情報をみると、確かに被相続人の持分がありました。

「漏れてるやんか」

そして、他の士業の方にその旨連絡すると、「この集会所は登記せずにそのままにした場合、何か支障がありますか?」と質問がありました。

これを登記しないということは考えらえないので、「すぐ取り壊すなどでなければ、今は相続登記が義務化されていますし、将来マンションを売却等するときに支障が生じ、この相続登記しないと売れないなどが出てきます」と回答

 

その後、集会所も含めて相続登記をすることとなり、

集会所がプラスされるので、

その士業の方に、集会所の評価証明書を取得してもらったところ

備考欄に「当集会所の評価額は、各戸専有部分に按分して算入されています」

と記載がありました。

役所に問い合わせると、この集会所の分は、(持分で按分して)専有部分の建物の評価額に(すでに)加算されているということです(評価の上では一体化されている)。

このことは、固定資産税納税通知書(課税明細)や、名寄帳にも記載がありませんでした。ただし、専有部分の評価証明書を取得すれば、そこの備考欄に集会所の分が加算されている旨の表記があるということです。

逆にいえば、専有部分の建物の評価証明書を取得しないと判らないということになります。今回は、権利証書で判明しましたが、評価証明書の取得の必要性を感じました。

評価証明書を取得し、そこに記載あれば判明しますし、その取得する際、役所に、他に集会所や倉庫、駐車場などがないかどうか確認することができます。

相続で使う場合は「土地・建物、非課税不動産・評価なし不動産、共有不動産、未登記不動産すべて含む」として請求しています。

過去にも、役所で評価証明書を取得する際に(何度か)判明したことがあります。

(今回は権利証書で判明してよかったですが、一括で共有登記がなされているような場合は、その集会所などの権利証書(所有権の登記済証)は管理組合が保管していたりするので、その場合は当事者が所持している権利証書でも判明しません・・・)

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