司法書士とくの日記(ブログ)

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実質的支配者

久しぶりに不動産取引の立会がありました。

宅地・建物の売買です。

買主さんが株式会社です。

代表者ご本人が取引に出席、面談(対面)にて意思確認、

代表者ご本人の運転免許証で本人確認をしました(司法書士の義務)。

 

今回

犯罪収益移転防止法の関係で、買主である株式会社の次の事柄の確認・記録が必要になっています。

(会社については会社の登記情報で本店、商号、事業目的、代表者は確認でき、売買代金については売買契約書で確認ができます。代表者の住居、氏名、生年月日は運転免許証で確認)

「事業の内容」

「事業の内容」は、不動産の賃貸業(会社の登記情報から判ります)

それにプラスして「取引を行う目的」「実質的支配者の本人特定事項」

「取引の目的」は賃貸(聞き取り)

やっかいなのは、会社の実質的支配者の確認です。

 

株式(議決権)については代表者が過半数かなと思っていましたが、事前に株主を確認した(聞いた)ところ、そうではなく、次のようになっていました。

発行株式600株

株主4名

代表者 120株(5分の1)

その妻 120株(5分の1)

息子A 180株(5分の1・5)→4分の1を超えている(25%超)

息子B 180株(5分の1・5)→4分の1を超えている(25%超)

(引退を考えてか?息子の株式数を多くしていました)

この場合、実質的支配者を株式数(議決権)で判断すると、

息子のAとBになります(なお議決権が基準)。

代表者が50%超であれば、代表者(のみ)の住居、氏名、生年月日を確認すればよいのですが、上記の場合、(25%超の)息子ABの住居、氏名、生年月日を確認する必要が生じます。

ただし、事業経営を実質的に支配する意思、もしくは能力がないことが明らかな場合は該当しない、となっています。

実際、事業(不動産の賃貸業)を行っているのは代表者で息子は他に仕事があり関与していないようです。しかし、(25%超の)息子に実質的に支配する意思もしくは能力がないことが明らかかどうかとか、また議決権行使についても代表者が支配しているのかどうかとかは判りません。

よって、この辺は形式的に(株式数・議決権で)判断するしかありませんので、息子ABの住居(住所)、氏名、生年月日を聞いて記録しておきました。

なんか、手間のかかる割には無駄なことをしているように感じます・・・

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