司法書士とくの日記(ブログ)

司法書士業務、マラソン、その他

ささやかな精神修行

最近は、
時間のかかる複雑な破産案件が多い。
書類完成まで非常に時間がかかるのである。
半年以上1年ぐらいかかるケースが増えている。
(たまっていく破産案件)


・債権調査
もし過払金があれば返還請求をする
(訴訟をしないとまともに返還して
くれないケースが多く、最近は判決まで
いってしまうケースが増えている)
・債権者一覧表の作成
・財産調査(依頼者に提出してもらった書類の精査)
・財産目録の作成
・方針決定(破産)
・借金に至った事情などの聞き取り調査
・不明な点を明らかにしていく
・預金通帳、資料の精査
・家計表の作成
・報告書の作成
・免責不許可事由がある場合など上申書の作成
・事業者の場合は事業に関する書類の作成
・お金の流れの調査
などなど


問題点が次々と判明することがある。


破産申立は依頼者本人の協力がないとできない。
(話のできる協力的な依頼者であればよいが
そうでない場合、精神的な負担は大)


完成まで先は長いので、
できるところからコツコツと綿密にやっていく。
困難事例であればあるほどやりがいがあり、
完成した時の達成感も大きい(完成後ぐったりする時もあるが)。
とにかくできるところからやり始めることが重要。
ある程度進めば、集中力が出、一気に完成までいく。
「できる」(いままで自分の責任で完成までたどり着けなかったことはない)
という思いを秘め、取りかかる。
現在どうにもならない先のことは考えない。
目の前のできることに集中する。
問題点が判明した時は、それはそれでそのまま受けとめる。
依頼者を責めることは絶対しない。
現実的な対応を考える。


精神を穏やかに保ち、イライラしない。
(怒ったり、協力的でない依頼者を責めてもなにもならず、
むしろ逆効果になる。自分にとっても損である)
責めるのではなく、なんとか協力してもらえるように、
依頼者が苦労してきたことがあればそれをねぎらい、
あたたかい言葉をかけることが必要。
少しでも協力してもらったら「ありがとうございます」と
(あえて大げさに)依頼者に感謝の意を表す。
その協力が免責許可につながることを根気強く説明する。
人間嫌なことは話したがらないし、嫌なことはしたくないのが
当たり前。
協力してもらえるのが当たり前と思うこと自体が間違い。
最終的には「なるようになる」という開き直りも重要。
一つ一つはささやかだが、
多重債務者を減らし、社会に貢献しているという大局観も意識する。


と自分に言い聞かせている。


過去ブログ
http://d.hatena.ne.jp/tokucyan-siho/20080315
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