司法書士とくの日記(ブログ)

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破産者情報

破産者の住所、氏名等の情報を公開していたサイトに対し、個人情報保護委員会から(運営の)停止命令が出された。

 

以前、当方が破産手続(書類作成)をした方から、「私の名前を検索すると、このサイトで破産者として出てくるのですが・・・」という相談を受けたことがあった。

この時、実害は何も生じていなかったので、「そんなサイトがあるのですか(何の目的で?)。問題があるサイトだとは思いますが・・・。過去、破産したということはマイナスではなく、リセットしてやり直しているということですし、同じように破産を経験した人なんて、山のようにいますので、(そんなサイトは)気にせず、ご自身の生活に集中してください」という感じの回答をしたように記憶している。

 

破産は、やり直しの機会を与える制度で、破産法では「経済生活の再生の機会の確保を図ることを目的とする」と明記されている。

破産(借金)の原因は人それぞれで、お金にルーズ、浪費でそうなったという人もいるが、生活苦等からやむを得ず(また、なんとか返済をしようと自転車操業で借金増、病気、失業など)というケースも多いように思われる(返済能力を超えた貸付をしていた金融業者にも問題あり)。

返済不能なほどの借金を抱えたままだと、経済活動をして税金を納めて社会に貢献するというのはむずかしいので、いったんリセットし(財産清算、借金免除(免責))、立ち直って、あらためて経済活動をしてもらおう、それで、また税金を納めて社会に貢献してもらおうという制度。

また、多重債務が問題となっていた頃は、毎年、毎年10万人以上の人が破産をしていた(平成15年はなんと24万件)。 

だから、

過去、破産をしたことがある人というのは、結構、多いと思う(近年は、2回目の破産申立をするケースも増えている)。

何人か集まれば、その中で破産を経験してる人は一人はいるという感じか(破産をしたことがある人なんて、めずらしくもなんともない)。

本当は、破産したことを後ろめたく感じる必要なんてまったくない(公表されても何の支障もない)世の中になればよいのに・・・

 

破産法 第1条(目的)

この法律は、支払不能又は債務超過にある債務者の財産等の清算に関する手続を定めること等により、債権者その他の利害関係人の利害及び債務者と債権者との間の権利関係を適切に調整し、もって債務者の財産等の適正かつ公平な清算を図るとともに、債務者について経済生活の再生の機会の確保を図ることを目的とする。

 

(当HPより)

多重(過重)債務者の債務整理には「個人やその家庭が経済的に再建すると、社会に有用な経済活動ができるようになり、それにより税収が増加し社会保障費が抑えられる。また、経済的困窮から生じる犯罪や家庭崩壊などが防止できる」といった社会的な目的があります。そして、それに携わっている弁護士・司法書士には、多重(過重)債務者が多くなっている社会的背景や原因を探り、多重(過重)債務の問題をなくしていく改善への働きかけが求められます。