司法書士とくの日記(ブログ)

司法書士業務、マラソン、その他

改製不適合物件

改製不適合物件(不動産)の
登記申請(相続)をしました。


改製不適合物件はオンライン申請ができないため
書面申請をしました。


改製不適合物件?
改製不適合物件とは、


登記のコンピューター化ができない、
コンピューターに登記データを入れることが
できていない不動産を言います。


ですから、その不動産の登記データ(記録)は
コンピューター化されていませんので、
紙の帳簿(バインダー式のブック)のままになっています。


現在は
すべての法務局がオンライン化されていますので、
通常、不動産の登記データはコンピューター化され、
自宅のパソコンからオンラインで登記情報を取得できたり、
他管轄(遠方)の不動産でも近くの法務局で証明書を取得できたりします。


しかし、改製不適合物件である不動産は、
それができません。
その不動産の登記の証明書は、
紙データをコピー機でコピーした謄本であり、
管轄の法務局でしか取得することができません。


なぜ、このような不動産が生じるのか?
末尾記載のような不動産が
改製不適合物件になるということです。
(今回は、共有関係が複雑で、
登記されている持分の合計が1にならない場合に
当たると思われました)


改製不適合物件の登記申請については、
オンライン申請ができない。
登記識別情報や登記完了証が発行されない。
申請の際、規則附則第15条第2項の書面(申請書副本など)
を添付し、それに法務局の登記済みの印が押され、
登記完了後、登記済証として交付される。


今回の申請は、
改製不適合物件と、そうでない物件の申請でしたので、
法務局に次のような照会をしてOKをもらっています。
照会事項
コンピュータ化されていない不動産(改製不適合物件)と、
されている不動産につき、1件で登記申請(書面申請)できるかどうか。
また、その際に添付する規則附則第15条第2項の書面は、
コンピュータ化されている不動産を含む、申請書の副本で差支えないかどうか。


すべてOKということでした。


改製不適合物件でない不動産については、
登記識別情報通知書、登記完了証が交付され、
改製不適合物件については、登記済証
(規則附則第15条第2項の書面に登記済みの印が押されたもの)
が交付されました。


改製不適合物件
不動産登記制度上問題となる場合
・同一の不動産について数個の登記用紙が備えられている場合
(二重登記又は重複登記)
・土地について重複した地番が付された登記がある場合
(重複地番又は地番重複)
・家屋番号の記載がない場合
・土地の地積が小数点以下第3位まで表示されている場合
・登記簿の不動産の表示が現行の地番区域の表示と符合せず、
現行の地番区域のいずれに属するか容易に判明しない場合
・表題部に所有者の記載を欠く場合(表題部のみが設けられている場合)
・自作農創設特別措置登記令施行規則第4条の規定により
登記用紙表題部欄外に、自作農創設特別措置法による買収のあった旨の記載(いわゆる耳登記)がある登記簿で、
買収前の所有権の登記名義人からその相続人、その他第三者に所有権の移転の登記がされている場合
・昭和35年の不動産登記法の改正前にされた所有権移転の仮登記の本登記によって登記簿上所有権の登記が併存している場合
・土地の所在に数個の地番区域の記載がある場合
コンピュータの処理上問題となる場合
・登記されている持分の合計が1にならない場合
・登記事項中に判読できない文字があり移記することができない場合


過去ブログ
(登記受付帳)
http://d.hatena.ne.jp/tokucyan-siho/20180301