司法書士とくの日記(ブログ)

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生活保護受給者の借入によるエアコン設置

私が成年後見人をしている高齢の女性。
生活保護を受け、ご自宅(賃借)で一人暮らしをされています。


この方
部屋にエアコンがありません。
http://d.hatena.ne.jp/tokucyan-siho/20150803
http://d.hatena.ne.jp/tokucyan-siho/20160609


ケア会議のときに、
いつもエアコンの設置ができないかという話が出ますが、
エアコンを設置する費用がなく、
工夫しながら(扇風機等で)なんとか
夏、のりきってもらっていました(幸い体は丈夫な方で
熱中症にはなりませんでした)。


エアコンの費用は生活保護費からは出ません(ただし、後記に追記あり)。


以前、
畳の入れ替え、(古い故障した)給湯器の入れ替え
については、「住宅維持費」として生活保護から支出
してもらえました。
ただし、2社以上の見積り要。
給湯器については、風呂が生活に必要なものだから
ということでした。
(大家さん負担にできない事情あり)
http://d.hatena.ne.jp/tokucyan-siho/20150609


しかし、年齢も85歳を超え、
また、異常な暑さも予想される中、
エアコンの設置ができないか考えていたところ、
書籍「成年後見手続ガイドブック」(新日本法規)のコラムで
生活保護受給者でも社会福祉協議会の生活福祉資金貸付を
利用してエアコンを設置」という記事が目に留まりました。
貸付だけれども、収入認定はされず、
返済(分割払い)は代理納付で生活保護費から天引きということでした。
(たぶん、社会福祉協議会の生活福祉資金貸付以外の借入の場合は
収入認定されるのであろう)


早速、最寄りの社会福祉協議会に電話をしてみたところ、
生活保護の方は、ケースワーカーからの申し入れが必要ということでした。
ケースワーカーの方に相談をして、
社会福祉協議会の方に申し入れをしてもらいました。
(このケースワーカーの方は熱心な方でケア会議にも
出席されていましたが、このような生活福祉資金借入のアドバイスはありませんでした)


高齢なので、返済期間などが問題とされましたが、
エアコンの見積り(比較的費用が高い高性能なエアコンはダメのようです)、
社協の担当者、ケースワーカー、民生委員との面談、
制度説明などを経て、
すこし貯蓄がありましたので、返済期間がOKとなる
足りない分だけを借入するということで、
なんとか借入することができました。
(保証人はなし。無利息。分割返済は生活保護費から天引。
返済分は生活保護費が減りますが許容範囲)
費用を貯蓄してするより早く設置することができます。
(今のエアコンは比較的安いものでも高性能です)


エアコンは設置できましたが、
ご本人はうまく操作ができませんので、
リモコンはご本人がどこかに隠してしまわれないように、
決まった、ご本人の目につかないところに置き、
基本、ヘルパーさんに操作してもらい、
(ヘルパーさんの協力を得て)使用してもらっています
(気温が高い日などは点けっぱなしになります)。
設置後は、またいろいろな工夫が必要となります。


エアコンは生活に必要なものとして、
住宅維持費などから支出してもらえるようにならないものかな。
熱中症で救急搬送された場合、医療費の方が高くつくと思われる。
生活保護受給者の医療費は生活保護から10割負担)
http://d.hatena.ne.jp/tokucyan-siho/20140117



現在、一定の条件を満たす方については、(家具什器費の一時扶助として)クーラー購入費(5万円)の支給が認められるようになっていますが、原則、2018年4月1日以降に生活保護を受けるようになった方や、生活保護のもとで転居により必要となった場合などに限定されています。