司法書士とくの日記(ブログ)

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配偶者の法定相続分など

不動産の相続による移転登記

配偶者の法定相続分

相続登記の登録免許税の免税

 

(1例)

不動産

所有権登記名義人(所有者)A

 

Aが昭和55年12月31日死亡

相続人

妻Bと子Cの二人

その後、

妻Bが平成30年10月1日死亡

相続人

子Cのみ

 

このケースの場合

Aが死亡し、妻のBが存命の間に

BとCとの間で「Cが取得する」旨の

遺産分割協議をしていない場合は、

Cのみ(一人)で遺産分割協議をすることはできないので、

Aから直接C名義に移転登記をすることはできず、

法定相続により

Aから、(亡)BとC名義に移転登記をして、

B持分につき、C名義に移転登記をすることになります。

 

(なお、妻のBが存命の間に、BとCとの間で

「Cが取得する」旨の遺産分割協議をしていた場合は、

Cがその遺産分割協議書を作成して、AからCへ移転登記をすることが

できます。そのCのみで作成する遺産分割協議書には、

BとCが協議をしたということが明確に判るように、

Bの存命の協議日を記載しておくなどが必要になると思います

((例)「相続人である妻Bと子Cは、被相続人Aの遺産について、

昭和56年5月5日(B存命の間の日)に遺産分割の協議をして、

下記の内容で合意したことに相違ありません」)

原因は、昭和55年12月31日相続(数次相続ではない))

数次相続と保存登記 - 司法書士とくの日記(ブログ)

 

法定相続で、

AからBCへ移転登記、

B持分をCへ移転登記する場合、

その持分に注意する必要があります。

現在は、配偶者(妻や夫)の法定相続分は、

子(直系卑属)がいる場合(直系卑属とともに相続する場合)、

2分の1になっていますが、

このケースは、Aの死亡日が昭和55年12月31日ですので、

配偶者B(妻)の法定相続分は3分の1になります。

 

被相続人の死亡日が

昭和22年5月3日から、

昭和55年12月31日までは、

配偶者が直系卑属と相続する場合は、

配偶者の法定相続分は3分の1になります。

2分の1になったのは、

昭和56年1月1日からです。

(昭和22年5月3日より前は旧民法

http://www.amy.hi-ho.ne.jp/sakai-siho/kyuminnpou.htm

 

このケースでは、

Aからの相続(法定相続)は、

持分3分の1 B(妻)、持分3分の2 C(子)となります。

(その後、B持分3分の1を、Cが相続する)

ついうっかり、2分の1にしてしまわないように

古い相続の場合、被相続人の死亡日には注意を払う必要があります。

 

なお、不動産が「土地」の場合、

亡B名義にする持分3分の1の分については、

登録免許税を免税する措置が設けられています。

(相続人Bの持分につき、

租税特別措置法第84条の2の3第1項により非課税)

 

個人が相続(相続人に対する遺贈も含みます。)により

土地の所有権を取得した場合において、

当該個人が当該相続による当該土地の所有権の移転の登記を受ける前に

死亡したときは、

平成30年4月1日から平成33年(2021年)3月31日までの間に

当該個人を当該土地の所有権の登記名義人とするために受ける登記については、

登録免許税を課さない

(このケースでは、亡Bが、この「個人」に当ります)

 

不動産は「土地」で(建物には適用なし)、死者名義にする分について、

平成30年4月1日から平成33年(2021年)3月31日までの間

にする登記

申請書に「租税特別措置法第84条の2の3第1項により非課税」の記載が必要

相続登記の免税1−1 - 司法書士とくの日記(ブログ)

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